・リサイタル情報(2010年)
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Praise be to Bach! (プレイズ・ビー・トゥー・バッハ) バッハを賛美する





2010年7月8日(木)
 
 第一生命ホール
    (晴海トリトンスクエア内)
  http://www.dai-ichi-seimei-hall.jp/

 18時30分開場・19時開演

 出演:大木和音(チェンバロ)
     アンドレア・パドヴァ(ピアノ)

 全席指定
  S席 6,000円
  A席 5,000円
  B席 4,000円

第一部(チェンバロ)
   パルティータ第1番、第6番
第二部(ピアノ)
   ゴールドベルク変奏曲


プレイガイド  チケットぴあ
   http://t.pia.co.jp
   TEL:0570-02-9999
    P−コード:103-922

お問い合わせ
問合せ:
(有)アルト・ノイ・アーティストサービス
 TEL:04-2965-1943 info@alt-neu.info



 
 私は星を見るのが大好きです。
 子供の頃は漠然と奇麗だなぁと見ていただけですが、宇宙の神秘を知って行くにつれ感動が沸き上がってきます。

 気が遠くなるような長い年月にわたり、地球や他の惑星は、安定した軌道上に保たれ、天の川銀河の中央を中心として回っています。壮大すぎるほど壮大で、またあらゆる物より美しく、私をいつも感動させてくれます。

 私にとってバッハの音楽は、その感動と同じ感覚を与えてくれます。宇宙のように果てしなく大きな世界。また、はるか遠い時代の作品なのに、モダ ンで刺激的なもの。そして何より楽譜どおりに音を鳴らしてみただけで、完全に構築された素晴らしい音楽の世界に私を誘ってくれます。

 演奏する時は、完全な音楽に全神経を研ぎ澄まし、敬意を込めて演奏したいと思っているのに、余計な力が入る、また邪念があったりすると、瞬時に聴衆の方々にも見透かされてしまうような、ごまかしの効かない厳しさがあります。

 近寄り難い、難しい音楽なのかと思われそうですが、決してそうではありません。

バッハの和声の軌道に身を委ね演奏している時、突然、美しい空間に引き込まれ、自由な気持ちに開放される瞬間が表れます。壮大で、懐の大きさや人間の大きさを感じ、バッハをもっと弾きたくなってしまいます。

 私は「バッハはどういう音楽を求めていたのだろう」と必死に演奏を探り出そうとしていた時期がありました。様々な演奏習慣や当時のことを調べ、 それをバッハの時代の楽器「チェンバロ」で反映させられたら、一歩でも近づけられるかもしれない…なんて当時の様子を掘り起こす努力をしていたこともあり ました。

 時代も変わり、人々の生活の様子もスピードも変わり、現代の人間が演奏する今、バッハの作品はとてもそんなことでは演奏しきれないものではな いか…と痛感しています。今考えると、それは表面的で、バッハに対して大変おこがましい気すらします。ただ、素晴らしいバッハの演奏であれば、何もチェンバロに限らず、もちろんピアノで演奏されても良いものは良いのだ…という核心のようなものは、以前から持っていました。 言い直せば、チェンバロを弾いたからといって、バッハの音楽を表現できるとは限らないということです(自戒の念もこめて)。

 今回のコンサートは、そんな私の思いを察知してくれたかのような、夢のような企画で、今からとても楽しみにしています。

 チェンバロは、弦をつまびいた瞬間、音の一粒一粒がキラキラと弾けて、輝きを放って飛び立ち、やがてそれらが水彩画のように混ざり合い、音のシャ ワーのように弾き手の私に降り注ぎます。あらゆる調性から来る和声感は、色々な角度から夜空を見上げる様に美しく表情を変えて現れます。その時の幸福感、 これが私がチェンバロを愛する理由の一つです。「もしかしたらバッハもこんな音を楽しみながら、曲を作っていたのかなぁ」なんて、これが唯一バッハとの時代を超 えた確実な共有体験!?などと空想し、ワクワクしてしまっています。

 さてこのコンサートの幕開けは、チェンバロによるパルティータ第1番です。チェンバロの明るく、甘く柔らかな音色とこの曲の冒頭から出てくる高音部の美しさが、ふわりと幸せな空間をもたらしてくれる感じがしたので、オープニングに選びました。

 続いては第1番と対照的な感じの第6番です。魂が揺さぶられるかのようなこの作品では、重厚でダイナミックかつ華やかなチェンバロの世界を味 わっていただけたらと思います。 そして休憩後は、アンドレア・パドヴァさんのピアノでゴルトベルク変奏曲。なんと贅沢な一夜でしょう。

 バッハの音楽の、時代を超えた普遍的な素晴らしさを、私同様、皆様にも存分に感じ取っていただけたらと思います。もはや演奏手段はチェンバ ロ、ピアノのどちらであろうと関係ない、バッハの音楽はそんな次元ではないのです。同時に欲を申せば、二つの楽器のそれぞれにしか出せないニュアンスをも 楽しんで頂けたら、何よりの喜びです。

                     チェンバリスト  大木和音


 大木和音 チェンバロリサイタル -Voyage-


2010年5月21日(金)
 
 高崎シティギャラリー コアホール 
         www.takasakicitygallery.jp
   18:30開場 19:00開演
 全席自由 2,500円(当日) 前売り2,000円


問合せ:
(有)アルト・ノイ・アーティストサービス
 TEL:04-2965-1943 info@alt-neu.info


J.S.バッハ
 パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
 フランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.Ph.ラモー
 クラブサン曲集(1724年)より
  鳥のさえずり、タンブラン etc.
D.スカルラッティ
 ソナタ ニ短調 K.213,K.18 他



 楽器と演奏家との巡り合いは、偶然のようであり必然のものであるかもしれない・・・と感じるこの頃です。
 今公演では、パリの制作家オリヴィエ・ファディーニ氏(Olivier Fadini)が制作したフレンチ・モデルのチェンバロを演奏いたします。
 パリにある彼の工房を訪ね、完成間近のこの楽器に出会ったのは一昨年の秋のこと。豊かで鮮やかな音色にすっかり魅了された私は「ぜひこの楽器を譲ってほしい」とお願いし、パリの街をあとにしました。このチェンバロは、バッハが生きていた時代の乾ききった良質な木材を用い、当時と同じ製法にこだわり、ため息が出るほど丹念に作り上げられています。たった一人で作るわけですから、完成までに莫大な年月を経て、遠い日本の私の元に届けられました。
 今こうして音を紡ぎ出しながら蓋に描かれた鮮やかなテンペラ画を見ていると、はるか遠い時代に迷い込んだような不思議な気持ちになります。チェンバロという楽器は、美しい音色と一体化した芸術品であるということを改めて感じています。
 さわやかな5月の夜、そんな感動あふれる音空間を、一人でも多くの方々と共有させていただけましたらこのうえない喜びです。
                              大木和音